60坪の家を解体する際、費用面での不安を抱える方は多いでしょう。解体費用の相場を把握することは、適正な価格で信頼できる業者に依頼するために重要です。本記事では、60坪の家の解体費用相場や内訳、費用を抑えるコツなどを詳しく解説します。

60坪の家:解体相場の目安

60坪の家の解体費用相場は、建物の構造によって異なります。木造で約180~240万円、鉄骨造で約240〜360万円、RC造(鉄筋コンクリート造)で約360〜480万円が目安となります。ただし、立地条件や地域によっても費用は変動します。

建物の解体工事費用は、坪単価で見積り出来るので「建屋解体工事費」についてはある程度一定ですが、その他費用については建物や土地の状況で変わってきます。

また、相場は地域差があり、東京が平均より2割ほど高く、一方で九州と北海道は平均より2割ほど低いという傾向があります。

本州では、都市部と郊外・東京寄りかどうかで多少違いはあれど、おおむね一定の相場でした。

続けて、見積り計算の要素についてもう少し具体的に説明します。

解体費用の内訳

解体費用は、いくつかの項目があって、これを見ると複合的な工事であることが分かります。

主な費用は建屋解体工事費なのですが、それ以外の部分についてもおおまかに知っておきましょう。

建屋解体工事費

建屋解体工事費とは、建物の主な部分について解体工事する費用です。

建物の構造によって、おおむね次のような坪単価が一般的です。

  • 木造:3万円前後/坪
  • 鉄骨造:5万円前後/坪
  • 鉄筋コンクリート造(RC):6万円前後/坪

建屋解体工事費はほとんどの場合、建物の構造による坪単価で延床面積とかけ算で見積りを出します。

また、坪単価は地域によって違いがあり、東京は割高で九州・北海道は割安といった傾向があります。

前段落の表を見て分かるように、工業的・素材として強度がある構造では解体に多くの手間が掛かるため、坪単価の点で高くなります。

なお、延床面積は登記簿謄本に記載があるので、そちらを見ると解体工事の見積り目安算出に役立ちます。

付帯工事費

付帯工事費とは、建屋解体以外の解体工事費用であり、項目は複数になることが多いです。

付帯工事費の相場目安としては、事例全体で見た場合で30万円前後ですが、解体する物件によって大きく左右される項目です。

建屋以外の例は以下のようなものがあります。

  • ブロック塀
  • 物置・納屋
  • 車庫・カーポート

建屋解体費用の項目に対して「その他要素費用」ということもあり、項目に「付帯工事」と記載があるわけではないため、分かりづらい特徴があります。

項目は「一式・式」などとまとめられることで、具体的な項目が分からなくなるため、あまりにも高額な費用がある場合は適時に業者に対して質問したいところです。

解体物養生費

解体物養生費とは、解体する建物をシートなどで囲む費用です。

解体物養生費の相場は、建物などの大きさで囲う量が異なるため見積りも比例的な影響を受けます。

養生は、防音や解体に際して発生するほこり・チリの飛散を抑えるために行う作業で、解体工事を行ううえで重要な安全施策の一つといえます。

養生をすることは、公害を抑えることに加えて、安全面でも重要であり、安く工事を済ませたい場合にも削減すべき項目ではありません。

アスベスト解体が必要な場合には、養生シートでしっかり建物を囲う必要があるので、通常より多くの費用が掛かります。

残置物撤去処分費

残置物撤去処分費とは、建物内部にあるいわゆる不用品を処分するための費用です。

残置物撤去処分費の相場目安は、残っている不用品の量や質によって変わってきます。

「解体のついでに捨てて欲しい」と考えてしまう不用品処分ですが、実は残置物については産業廃棄物として処分することが出来ないので、別途費用が必要になります。

簡単な概算見積りの段階では評価しきれないので、後に正式な見積りを出した場合に更新されるか、または追加費用で請求される項目です。

整地工事費

整地工事費とは、その名前の通りで建物などを解体したあとに整地工事をする費用です。

整地工事費の相場目安は、整地する面積に比例して必要になります。

整地工事は、解体後に土地をどのようにするか決まっている場合、特に土地を売却する計画では整地しておくことで、土地を売りやすくなる要因になるので整地しておくようにしましょう。

重機運送費

重機運送費は、名前の通り重機輸送に掛かる費用のことです。

工事の大小で使う重機の大きさ・量は変わってきますが、道幅や道路利用に制限があると小さな重機での作業が強いられるので、重機輸送費が高くなりやすい特徴があります。

諸経費

諸経費は、ここまで挙げた項目以外の工事に対して間接的な費用をまとめたものです。

諸経費の計算方法は、リサイクル法や道路使用許可など届け出を除いて、工事費用に対して割合で追加する場合が多いので、相場目安は工事全体の費用に比例します。

解体工事料金が高くなる要因

解体工事料金が高くなる要因は、自分で解決できるものとそうでないものがあります。

解体工事費用を安くしたい場合は、自分出解決出来る項目を業者に丸投げしないことで、多くはないですが確実に費用削減が可能な部分があります。

一方で、相場以上に工事料金を払うのはもったいないので、必ず相見積もりを行って適切な料金かを確認することが大切です。

工事金額が安すぎるのも問題ですが、相模を大きく超えた高い金額を払ったとしても、リフォームなどと異なり解体工事の最高点は「トラブル・問題が無く工期内で終了すること」なので、無駄に多く払って得をすることはありません。

工期の延長

悪天候や近隣トラブル等で工期が延びると、重機や作業員の拘束期間が長くなり、費用が嵩むことがあります。

建物周辺の道路が狭い場合

建物周辺の道路が狭い場合は、重機やトラックの利用に制限が掛かるので、解体工事費用が高くなる要因です。

最も厳しい状況なのが、2mほどの幅が取れない場合に、2トントラックすら使うことが出来ない状況で、その場合は手作業による解体を行う必要があります。

当然、解体工事費用が高くなる要因ですが、道路幅について施主がどうすることも出来ない要素なので、周辺道路が狭かったり重機利用に制限が掛かる場合の解体費用は少し覚悟しておく必要があるでしょう。

不用品の処分がある場合

不用品の処分がある場合は、解体業者に丸投げせずに自分で処分しておくと費用を節約出来ます。

途中で説明したように、残置物(不用品)は解体工事で発生する産業廃棄物として処分することが出来ないため、別途費用が掛かることが大きな理由です。

一方で、残置物に処分価値がある場合には、これを適切に売却などすることで、工事費用を節約することに加えて、雑益を得ることが可能です。

廃材の分別がしづらい場合

建物内などの老朽化によって、廃材の分別がしづらい場合には、解体工事費用が高くなります。

廃材の分別は施主側でなんとか出来ない場合が多いですが、解体工事まで建物を汚い状態や朽ち果てた状態で放置しないことが大切です。

空き家などはどうしても利用価値がないので放置したくなりますが、利用しないことが決まっている場合は、解体しておくほうが費用を節約出来ます。

あわせて、特定空き家に指定されるなど、後に解体が半強制される場合もありますので、安く解体出来るタイミングで行うことが重要です。

地中埋設物がある場合

敷地内の地中に地中埋設物がある場合は、解体工事費用が高くなります。

とはいえ、地中埋設物を自分で処分するわけにも行きませんので、こちらも解体工事費用が高くなることについて覚悟しておく項目になります。

なお、工事や見積り前に地中埋設物があることを業者に伝えておくことで、追加費用や土地処分後のトラブルを避けることに役立ちます。

地中埋設物の除去は、工事料金が高くなってしまいますが必ず告知するようにしましょう。

二階建て以上の場合は状況によって変わる

建物構造が二階建て以上の場合には、構造的な面で解体工事費用が高くなります。

ただし、延床面積として平屋と二階建てで同じ場合には、屋根の大きさは二階建てのほうが小さくなるので、一概に解体工事料金の高低が判断出来ないケースがあります。

業者間の紹介料など

業者間の紹介料は、いわゆる「子請け・孫請け」など業者同士の縦関係で発生する費用で、一般には「中間マージン」などと呼ばれているものです。

業者間の紹介料などは、絶対に節約してほしい費用の一つです。

ハウスメーカーの場合には、見積りの20%~30%と割高な紹介料になるケースがあります。

一方で、営業や広告の部門を持たない業者にとっては、人件費や広告費などを節約出来る点であり、紹介料は必ず無駄で悪しきものというわけではありません。

とはいえ、インターネットが発達した現在では、分離発注(建て替えと解体を別に発注すること)で業者費用を節約出来るので、解体工事費用を安くしたい場合には絶対に節約したい費用といえます。

同時に相見積もりをして業者比較をすることで、無駄のない適切な費用で解体工事発注が出来る業者を探すことに役立ちます。

解体費用を抑えるコツ

解体費用を抑えるコツは、ちょっと手間が掛かることを自分でしておくことです。

とはいえ、代行することを自分でするにもできることにも限界があるので、割高すぎる業者に依頼しないようにすることが大切です。

事前の家財処分と複数見積もりの取得

家財を自身で処分しておくことで、廃棄物処理費用を抑えられます。また、複数の解体業者から見積もりを取得し、適正価格を比較検討することが重要です。

仲介業者を介さない業者選びと補助金の活用

ハウスメーカー等の仲介業者を通さず、解体業者に直接依頼することで中間マージンを節約できます。老朽化した空き家の解体には、自治体の補助金制度を活用するのも費用対策の一つです。

自身での建物滅失登記の申請

解体後に必要な建物滅失登記を、土地家屋調査士に依頼すると5万円程度の費用がかかります。自身で法務局に赴き手続きを行えば、1,000円ほどの印紙代で済ませられます。

解体工事の流れ

解体工事は、見積もり依頼と現地調査から始まります。図面や現況を確認して正確な見積もりを提示してもらい、納得できる業者と契約を交わします。着工前にライフラインの停止や近隣挨拶を済ませ、いよいよ足場の設置と建物解体に入ります。廃棄物を適正に処理した後、整地を行って完了です。最後に建物滅失登記の手続きを行います。

解体時の注意点

更地にした後の土地活用計画を予め立てておくことが大切です。固定資産税の優遇措置がなくなることを見越した資金計画を立てましょう。

また、解体工事では騒音や粉塵の発生が避けられません。トラブルを防ぐためにも、近隣住民への事前の説明と理解を得ることが重要です。また、廃棄物の不法投棄を防ぐため、マニフェストで適正処理を確認しましょう。

そして、解体から1ヶ月以内に建物滅失登記の申請を行わないと、過料が科される場合があります。解体工事完了後は、速やかに手続きを進めましょう。

相見積もりを推奨!

60坪の家の解体費用相場は、木造で約180~240万円、鉄骨造で約240〜360万円、RC造で約360〜480万円が目安です。

仮設工事費や廃棄物処分費など、様々な費用が発生します。立地条件や建物の状態によっても費用は変動するため、まずは複数の解体業者から見積もりを取得し、比較検討することが大切です。

また、家財の処分や補助金の活用、自身での建物滅失登記申請など、費用を抑えるための方法を知っておくと良いでしょう。

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解体工事の見積りには「建物の構造」「延床面積」「道路の広さ」など数十個の情報が必要なので、電話で依頼するのが大変なのを知っていますか?

家の図面や周囲と地図など見ながら会話するのは意外に大変です…

とはいえ、さすがに今はスマホから簡単に見積りが取れるようになりました。

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